健康新聞 定期連載〜第6回 大腸がん〜
2024年09月02日
西山典子副院長が健康新聞の取材を受けました
9月1日(日)発行の健康新聞で西山典子副院長が取材を受けました。女性のためのメディカルノート第6回は大腸がんです。女性がかかりやすい疾患や健康トラブルはライフステージによって変化します。 病気になってからではなく、早期発見・予防につなげるためにも、女性特有の病気について理解を深めましょう。
第6回 大腸がん 〜女性のためのMEDICAL NOTE〜
医療法人 西山記念会 MIRAI病院 西山典子副院長
予防の鍵は「運動」と「食事の改善」定期的な検診も大切
腸内細菌の宝庫である大腸は、1.5〜2メートルほどの臓器。小腸で消化吸収された食物の残りから水分やアミノ酸などを吸収し、便にして肛門に運ぶ働きがあります。
近年は、高齢化の進行や生活習慣の変化も関わっており、消化器がんの中でも、大腸がんにかかる人が増加しています。男性・女性ともに40歳ごろから増え始め、罹患(りかん)者数の増加に伴い死亡者数も増加。男性で2位、女性で1位と上位となっています(国立がん研究センター 最新がん統計)。
大腸がんは、大腸(結腸・直腸)に発生するがんで、腫瘍という良性ポリープが大きくなり、がん化して発生するものと、粘膜から直接発生するものがあり、その好発部位は、S状結腸と直腸にできやすいといわれています。
初期は自覚症状がないため、気が付かないことが多いですが、進行すると血便や出血、便通異常、貧血などの症状が現れ、がんの発生する場所によってもその症状が異なります。病因は、遺伝性の病気である家族性大腸腺腫症やリンチ症候群、アルコール、肥満、喫煙、加工肉、糖尿病、便秘などが挙げられます。
大腸がんの予防で大事なことは▷適度な運動▷食物繊維、カルシウムを多く含む食物や植物・魚由来の不飽和脂肪酸の摂取▷アルコールは1日平均20等まで。逆に、ハムやソーセージなどの加工肉の過剰摂取は、大腸がんのリスクを上げるといわれています。
大腸がんは、現代の医療の進歩により、早期に発見し治療すれば、治癒が見込めるがんの一つです。そのためには、小さなポリープのうちに切除することが大切。毎年定期的に大腸がん検診で行うスクリーニング検査(便潜血検査)をすることはもちろんですが、早期がんの約50%は陰性となり、発見されない場合もあるので、40歳~50歳代のうちに一度は、大腸内視鏡検査を推奨します。6ミリ以上のポリープ、早期がんは、浸潤の深さや形など総合的に評価して内視鏡による切除で治療します。
当院では、「女性内視鏡外来」を設けており、医師、内視鏡技師ら全て女性スタッフで対応。希望があれば、鎮静剤を投与するので苦痛なく内視鏡を受ける事ができます。羞恥心がある人は、女性内視鏡外来を受診するのも選択肢の一つです。