大腸がん検診センター
大腸がん検査、便潜血検査だけで大丈夫?
大腸がん検診として『便潜血検査』を受けたことがある方は多いのではないでしょうか。
便潜血検査が陽性を示すうちの約3%が大腸がんであり、大腸ポリープからの出血が約30%、その他の大半は痔が原因で陽性となります。
便潜血検査では早期がんの約50%が見逃されてしまう可能性があります
便潜血検査を受ける方は大腸ポリープや早期のがんが見つかることを期待するのは当然ですが、発見した時点で進行がんであることも少なくありません。
便潜血2日法では進行がんの約80%〜90%は発見できるものの、早期がんの約50%は陰性となり、見逃されてしまう可能性があるのです。
便潜血検査は低コストで簡単に行えるのが利点ですが、精度が低いのが欠点と言えるでしょう。
便潜血反応の検査について
■通常50ml以上の消化管出血があると、肉眼的観察で分かりますが、便潜血反応は、肉眼的に観察できない微量の消化管出血を検出します。
■抗ヒトヘモグロビンを使用し、便中のヘモグロビンを検出します。胃酸や消化液のため、上部消化管からの出血の際には、変性し検出しにくくなっているため、下部消化管(大腸)のスクリーニングに有用な検査です。
■便中のヘモグロビンの安定性は室温で1週間ほどで、その後は半分に下がるため1週間前までの便を提出必要となりますのでご注意ください。
大腸がんの発生リスクを高める要因
大腸がんの発症は複数の要素が絡み合っていることが多いため、定期的な検診や健康的な生活習慣を継続することが必要です。
大腸がんのリスクを高める要因として以下のものが挙げられます。
年齢(特に40歳以上の方)
加齢とともに大腸がんの発症リスクは高まります。定期的に大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けることをお勧めします。
食生活
赤身の肉(牛や豚など)、加工肉(ハム、ベーコン、ソーセージ)の摂取が発症リスクに関与していると言われています。過剰摂取は避けましょう。
遺伝
遺伝性大腸がんの頻度は全大腸がんの5%程度で、血縁者に高頻度で大腸がんが発生します。近親者の中に若くして大腸がんになったり、ポリープが発見された方がいる場合は大腸がんの発生リスクは通常に比べて高くなると言われています。
身体的特徴
肥満、高身長、体脂肪が多い方は発症リスクが高く、注意が必要です。
40歳から50歳までに一度は大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けましょう
大腸内視鏡検査 (大腸カメラ)では大腸ポリープに対する感度は75%〜85%である一方、
便潜血検査のポリープに対する感度は55%であり、がんやポリープがあっても、陽性にならない事があります。
便潜血検査で陽性と言われた場合はもちろんですが、血便、便秘、貧血、腹痛、体重減少、便が細くなったなどの場合には大腸内視鏡検査(大腸カメラ)できちんと検査を受けることをお勧めします。
大腸がんは40代になると男女ともに罹患率が上昇していく疾患です。これらの症状がなくても、40歳以上の方は定期的な大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けることが大切です。
自覚症状がなくても大腸内視鏡検査(大腸カメラ)をオススメします!
便潜血検査が陰性でも、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)でポリープや早期がんが発見されることは多くあります。
大腸ポリープ、早期大腸がんはほとんどが無症状です。自覚症状のない段階で大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けることで、早期発見・治療できる可能性が高くなります。
当院、消化器内科では定期的な大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を推奨しています。40歳から50歳までに是非、一度は大腸内視鏡検査を受けましょう!!