コラム

春の花粉症到来! 早めの鼻炎対策で快適に過ごしましょう

2024年02月29日

これから始める花粉症対策

春は美しい花々が咲き誇る季節であると同時にスギやヒノキなどの花粉が飛び交う季節でもあり、花粉症の方にとっては辛い時期でもあります。初春から花粉に悩まされ、目や鼻のかゆみでイライラした経験は誰もがあるのではないでしょうか。今年こそは晴れやかに春を迎えたい! これから始められる花粉症対策をご紹介致します。
 

外出時の花粉症対策

❶花粉の付きにくいツルツルした生地の上着を選ぶ

外出時の際には花粉が付きやすいウール素材は避けて、花粉がつきにくいツルツルした上着を選ぶようにしましょう。

❷メガネやマスクをする

最も効果的な対策は、メガネやマスクを用いて物理的に花粉が体内に入り込むのを防ぐ方法です。メガネは眼に入る花粉を約40%減少させる効果があり、マスクは吸い込む花粉を約70%削減できるとされています。環境省ではマスクの内側にガーゼを当てるインナーマスクを紹介しており、市販のどんなタイプのマスクでも99%以上の花粉除去率を示したとしています。

❸帰宅時には衣服の花粉を外ではらい室内に持ち込まない

帰宅した際には、衣服などについた花粉をきちんと外ではらって、なるべく屋内に持ち込まないようにしょう。

❹帰宅後は顔を丁寧に洗い、うがいをする

帰宅後は鼻や目のまわりについた花粉が、目や鼻に侵入して症状が悪化することがあるので、丁寧に洗顔をしましょう。うがいには喉に流れた花粉を取り除く効果があります。

 

 

家の中での花粉症対策

❶洗濯物は室内で干し、こまめに掃除をする

花粉が室内に入ってくるのを極力避けるために、洗濯物は室内で乾かすようにします。室内に入ってきた花粉を素早く除去するため、こまめな掃除に努めましょう。空気清浄機を活用するのもおすすめです。

❷エアコンのフィルターは2週間に一度は掃除しよう

エアコンから花粉が侵入してくるのではと気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。通常、エアコンから花粉が一緒に入ってくることはなく、室内の空気を循環させているだけになります(一部の換気機能付きを除く)。そのため、フィルターに花粉が付着した状態でエアコンを使用し続けると花粉を循環させてしまうことになるため、少なくとも2週間に1度はフィルターを掃除することが重要です。

❸換気は早朝にして窓は開けすぎない

花粉の時期は換気を控えている人もいるかと思いますが、湿気や結露によりカビやダニが増えやすくなったり、ウイルス菌がとどまって感染症リスクが高くなったりするため、毎日の換気はとても大切です。換気は1日の中で、もっとも湿度の低い時間帯に行いたい所ですが、花粉の飛散時期の換気では飛散量の少ない早朝に行うのがよいでしょう。窓の開け幅は10cmほどにし、レースカーテンや網戸をすることで屋内への花粉の流入を減らすことができます。

 

規則正しい生活で免疫機能を保とう

一般的な注意事項としては、睡眠をよくとるなど規則正しい生活習慣を心がけて正常な免疫機能を保つことです。例えば、過度な飲酒や喫煙は花粉症の症状を悪化させる原因になります。タバコの煙は鼻の粘膜を刺激し、飲酒はアルコールの分解時に発生するアセトアルデヒドが、アレルギーを引き起こすヒスタミンの分泌を促すといわれています。

花粉症は症状が出る前に受診しよう

花粉症によるアレルギー性鼻炎は、鼻の中に花粉が入ってくることでアレルギー反応が起こり、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどの症状が出現します。この症状が出てしまうと鼻の粘膜がより敏感に反応するようになり、より強く症状が出るようになります。

花粉症は薬の予防治療が効果的

花粉症は花粉が飛散する前から薬をのみ始めることで発症を遅らせたり、症状を軽く抑えたりすることができます。症状が出だしてから薬を飲み始めてもなかなか効きにくいため注意が必要です。従来は、2〜3週間前から薬をのみ始める必要がありましたが、現在は薬が改良され、約1週間前からでも間に合うようになりました。花粉情報をこまめにチェックし、飛散時期が来る前に診察を受けて自身の症状に合わせた処方をしてもらいましょう。また、鼻づまりの症状が出る方は必ず医師に伝えておくことが大切です。

 

花粉症は病院での治療がおすすめ!

症状では判断が難しい風邪と花粉症

風邪の鼻水にはアレルギー性鼻炎や花粉症の薬は効かないため、風邪なのか花粉症なのかが曖昧な場合は、しっかりと診断して正しい治療を受けることが大切です。

簡便に検査する方法として鼻汁好酸球(びじゅうこうさんきゅう)検査があります。この検査は、鼻水の中にアレルギー性鼻炎の際に上昇する鼻汁好酸球が含まれているか調べ、顕微鏡にて鼻水の中の好酸球の数を計測します。痛みはなく、小さなお子様でも受けることができます。一つでもあれば陽性となり、割合によって1〜3段階で表します。アレルギーの約90%は陽性となり、逆に非アレルギーでの陽性は1~2%と少ないことから、アレルギー性か否かの指標として有用な検査です。

鼻汁好酸球検査は何のアレルギーがあるかまでは分かりません。2~4月の検査であればスギかヒノキの可能性が高く、年中鼻水が出ている方であればダニの可能性が高いなど、時期や生活環境などで抗原を推定することになります。

 

 

根本から治せる唯一の治療法

舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)をご存知ですか?

舌下免疫療法は、スギ花粉症とダニのアレルギー性鼻炎でお悩みの方を対象とした保険適応の治療です。症状を根本から治せる唯一の治療法とされています。最低3年間は治療を続ける必要があります。はじめのうちは1カ月に1回程の通院が必要となりますが、状態の安定後は2カ月に1回程の通院となります。

皮下免疫療法と舌下免疫療法の違い

舌下免疫療法はスギ花粉症とダニのアレルギーと限定されていますが内服薬なので痛みもなく、自宅での服用ができるのが大きなメリットです。治療の効果については症状が全く出なくなった方が約20%、症状が軽くなった方が約60%を含めて約80%の方に効果があったとされています。

一方、従来からある皮下免疫療法はアレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する必要がありますが、ブタクサをはじめ幅広いアレルゲンに対応できるメリットがあります。

スギ花粉症の舌下免疫療法の治療開始時期は花粉飛散のない夏から秋です。毎年、つらいスギ花粉症でお悩みの方は根本から治せる舌下免疫療法を検討されてみてはいかがでしょうか。花粉の季節を楽しみながら過ごせるようになったら最高ですよね。耳鼻咽喉科へお気軽にご相談ください。

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