コラム

意外に多い? 夏の便秘症! 夏に便秘が増えるのはなぜ?

2024年06月29日

夏に便秘が増えるのはなぜ?

脱水症の予防が夏の便秘予防に繋がる

便秘には水分補給が必要だと聞いたことがある方は多いでしょう。しかし、便秘の人が必要以上に水分補給をしても尿の量が増えるだけで便の量が変わらないことがわかっています。 ただし、夏場は水分補給をしているつもりでも、汗をかいて体内の水分が失われやすく、せっかく飲んだ水分も約90%は小腸で吸収され、大腸にはわずか10%程度しか届いていません。 夏の便秘症は、主に脱水症によるもので、大腸に十分な水分が届いていないことが原因です。つまり脱水の予防が、夏場の便秘予防にも繋がるのです。

のどが渇いていなくても水分補給

水分が体に浸透するには20〜30分ほどかかります。のどが乾いてから一度にたくさんの水分を摂取しても、尿になってしまうだけで体はうまく水分を吸収することができません。また、アルコールやカフェインには利尿作用があり、水分補給をしているつもりでも尿量が増えてしまい、かえって水分不足になってしまうこともあります。適切な水分補給とは、例えのどが渇いたと感じていなくてもこまめに水分補給することです。

 

食事は抜かずに規則正しい生活を

夏場は食欲不振になって食事を抜く方もいらっしゃるかと思います。食事から摂取できる水分量は約1〜1.5リットルと言われており、1日に必要な水分量の約半分は食事から補っています。そのため、夏バテで食事量が減ってしまうことも便秘の原因と言えます。食事の際には水分の多い野菜や果物(キュウリ、スイカ、トマトなど)を積極的に取り入れましょう。

朝食後にトイレに座る習慣をつけよう

起床時に常温の水や炭酸水を一杯(200mlほど)ごくごくと飲むと便秘解消に効果が期待できます。また、便意を感じなくても朝食後に5分間トイレに座る習慣をつけると良いでしょう。これによって腸のリズムを整える助けになります。

 

室内外の温度差に要注意

冷房病(クーラー病)が便秘の原因にも

私たちは自律神経によって体温を一定に保っています。自律神経がうまく働けるのは±5℃程度の温度変化までと言われており、冷房が効いた室内と暑い屋外を行き来することで、自律神経が乱れやすくなります。エアコンの効いている場所では、薄手のタオルやひざ掛けなどでおなかを守るなど、体を冷やさない工夫をしましょう。自律神経が乱れると、腸のぜん動運動に不調をきたして下痢や便秘の原因となります。

 

腸ひねり体操で、つまりを改善しよう

デスクでできる”腸ひねり体操”

デスクワークなどで座りっぱなしの方は腸が垂れ下がって下腹が硬くなってしまうことがあります。こうなると腸の動きが鈍くなり、便秘の原因となります。歩く習慣をつけたり、まずは簡単に始められる体操がおすすめです。

❶準備姿勢
椅子の端に浅く腰掛け、背筋をまっすぐに伸ばします。両足の裏はしっかりと床につけましょう。

❷左側への回転
ゆっくりと息を吐きながら、上半身を左側に回します。このとき、椅子の背もたれを軽く握ると安定します。

❸右側への回転
同じ要領で、今度は右側に回します。呼吸を意識しながら、ゆったりとした動きで行いましょう。

[ポイント]
・動作中は常に足裏を床につけたままにします。
・体を回すときは必ず息を吐きながら行います。

寝ながらできる”腸ひねり体操”

腰痛改善と便秘解消に効果的な「腸ひねり体操」を紹介します。ベッドで寝ながら行うシンプルな動きで、腸を刺激し腰回りの筋肉をほぐします。朝晩の習慣にすることで、健康的な腸環境づくりとリラックス効果が期待できます。

❶準備姿勢
仰向けに寝て、両足を揃えます。膝を立てて、足裏をベッドにつけましょう。

❷側方への膝倒し
ゆっくりと息を吐きながら、両膝をまとめて左側に倒します。このとき、右肩が浮かないよう注意しましょう。

❸元の姿勢に戻す
息を吸いながら、ゆっくりと膝を中央に戻します。

❹反対側も同様に
右側に同じ動作を繰り返します。左肩が浮かないように気をつけてください。

[ポイント]
・動作はゆっくりと、呼吸に合わせて行います。
・膝を倒す側と反対の肩が浮かないように注意しましょう。

どうしても改善がみられない場合は便秘外来へ

夏の便秘は性別や年齢に関係なく起こります。規則正しい食生活を送り、こまめな水分補給と冷え対策を行うなど、ちょっとした生活習慣の見直しで夏の便秘を解消しましょう。 もし、これらを試しても改善がみられない場合は、便秘外来を受診して専門医に相談しましょう。便秘外来では別の病気や異常がないかを確認し、適切な治療やアドバイスを受けることができます。

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