新型コロナウイルス感染症の再流行「KP.3株」ってなに?
2024年08月31日
新型コロナウイルス感染症の再流行「KP.3株」ってなに?
この記事を目にして、「またコロナの話か…」とうんざりする声が聞こえてきそうです。私自身もそう思います。流行が止まらない新型コロナウイルス感染症ですが、この夏は新たな変異株「KP.3」が猛威を振るっています。新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行してからは、マスク着用や手指衛生などの対策が個人の判断に委ねられるようになり、感染対策をしっかり行っている人は少なくなっています。そこで、この記事では「KP.3」株とはどのようなものなのか、特徴や症状について解説します。
変異し続ける新型コロナウイルス
2024年6月から感染者が増加しているKP.3は新型コロナウイルスがさまざまな形で変異したなかのひとつで、KP.3株はオミクロンBA.2系統の子孫株、2023年末に流行したJN.1株の子株にあたります。
実はJN.1株が流行していた時期にKP.3株はすでに存在していたのですが、実際に感染者が多かったのはJN.1株の方であったため、KP.3株は影を潜めていました。その後、状況は一変してKP.3株が急速に広がり、今ではテレビやSNSでも頻繁に取り上げられるほどの主要な変異株となっています。
香川県における新型コロナウイルス感染症の最新の動向
新型コロナウイルス感染症「KP.3」の潜伏期間
潜伏期間は約3日(2~5日)程度と考えられており、今までのオミクロン型と大きく変わりません。
新型コロナウイルス感染症「KP.3」の感染力
従来のオミクロン系統より感染力は強くなっています。感染経路はヒトから人へ直接的な飛沫感染と飛沫物への接触感染があります。
◎飛沫感染
感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つば など)と一緒にウイルスが放出され、他者がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染する。
※主な感染場所:換気状態の悪い場所、人が密集した場所など
◎接触感染
感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れることでウイルスが付着します。他者がその物を触ることでウイルスが手に付着し、その手で口や鼻に接触し粘膜から感染します。 ※電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチ、公共施設のイスやテーブルなど
感染しない、させない、拡げないためにも、日常的なマスクの着用や手洗い・消毒を心がけましょう。
新型コロナ変異株「KP.3」の症状と特徴
KP.3の症状は今までのオミクロンと大きく変わりません。
しかし特に多いのが、「発熱または悪寒」と「咽頭痛」です。特に発症初期に現れる人が多数を占めます。
- 発熱または悪寒
- 咽頭痛
- 咳やくしゃみ
- 全身の倦怠感
- 下痢
- 息切れ、呼吸困難
- 筋肉痛や体の痛み
- 頭痛
- 味覚障害、嗅覚障害
- 鼻づまり、鼻水
- 吐き気やおう吐
今の季節性として、症状によっては「通常の風邪」なのか「熱中症」なのかの判別が難しくなっているため、自己判断はせずに病院へ受診しましょう。また、従来と同様に、基礎疾患や高年齢などが要因となって重症化する場合がありますので、感染した際には経過観察をしっかりとおこないましょう。
まとめ
新型コロナウイルス感染症は流行初期に比べ、診断や検査・治療がスムーズに行える状況にあり、重症化させないためのプロトコルも確立されてきました。
ただし、症状の長期化や後遺症として慢性化するリスクから、感染しないことが望ましいことに変わりはありません。これからの感染拡大を防止するためには、個人ができる範囲内での感染対策を行うよう努めることが重要です。