子宮頸がんワクチンは冬期・春期休暇中がおすすめです!
2024年09月30日
HPVワクチンと定期検診の重要性
子宮頸がんは、子宮の入り口部分(頸部)に発生するがんです。特に20代から発症率が増加し始め、日本では毎年約10,000人の女性が新たに診断され、悲しいことに約3,000人の方が命を落としています。
この病気の厄介な点は、初期段階ではほとんど自覚症状がないことです。そのため、気づいたときには既に進行してしまい、最悪の場合は命を落としたり、妊娠・出産ができなくなる可能性もあります。このような事態を避けるためには、子宮頸がんワクチンの接種や定期的な子宮頸がん検診が大切になります。
子宮頸がんの原因
子宮頸がんの主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。HPVは非常に一般的なウイルスで、性経験のある女性のほとんどが生涯で一度は感染すると言われています。しかし、HPVに感染したからといって必ずしも子宮頸がんになるわけではありません。
HPVには200種類以上の型があり、大きく分けて「高リスク型」と「低リスク型」があります。子宮頸がんの原因となる可能性があるのは「高リスク型」のHPVです。一方、「低リスク型」は主に皮膚や粘膜にできるイボの原因となりますが、がんとの関連性は低いとされています。
子宮頸がんワクチン接種で将来のリスクを大幅に低減
一時期、副反応が取り沙汰され、不安から子宮頸がんワクチン接種を見送ったことが原因で子宮頸がんを患い、子宮を摘出しなければならない事例が増えています。
子宮頸がんから子どもたちを守るため、現在ではワクチンとの因果関係は無いと考えられており、積極的推奨が再開されています。
HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となる主なHPV「高リスク型」に対する予防効果が確認されており、子宮頸がんの原因の50~70%を予防できることが分かっており、9価のHPVワクチンでは80~90%予防が可能とされています。(厚労省のホームページによる)。世界的にも110カ国以上で公的接種が実施され、カナダ、イギリス、オーストラリアなどでは約8割という高い接種率を達成しています。一方で、日本の接種率は1.9%と著しく低い状況にあり、今後の改善が望まれています。
子宮頸がんワクチン(1回目)接種は冬期・春期休暇中がおすすめ
子宮頸がんワクチンは適した年齢に受けないと効果がありません。通常3回接種が必要でしたが、令和5年4月から公費で受けられるようになった9価ワクチン(シルガード)は9〜14歳の女性の場合、初回接種から6〜12カ月の間隔を置いた合計2回の接種が可能となりました。子宮頸がんワクチン(シルガード9)の抗体反応は、臨床試験により、9~15歳の女性では10年間、16~26歳の女性では少なくとも5年間持続することが確認されています。
当院では、子宮頸がんとHPVワクチンについて正しい知識を持っていただいた上でワクチンを接種していただけるよう、初回のワクチン接種時には、必ず婦人科医師による診察を行い、子宮頸がんワクチンについて分かりやすく丁寧な説明を心がけております。
◎定期接種対象者(公費助成)
【対象者】小学校6年生〜高校1年生相当の女子
【標準的接種年齢】中学1年生に相当する年齢の女性
■ご予約はこちらまで
MIRAI病院 TEL.0877-48-3366
※予診票、母子手帳をご準備ください。
※初回接種は毎週水曜日午前中です。