認知症短期集中リハビリテーション
認知症短期集中リハビリテーションについて
当院通所リハビリ(デイケア)では、
平成21年4月より認知症短期集中リハビリテーション(認知症リハビリ)を積極的に実施しています。
認知症リハビリは作業療法士等によって認知症に対する個別リハビリを、週2回、3ヶ月間実施するというものです。
当院では利用者様に不快感を与えないよう、呼び方を「認知症リハ」とせず青春塾と呼んでいます。
利用者様に青春時代のような活気溢れる気持ちで過ごしてもらいたいということで名付けました。
青春塾のリハビリ
回想法・園芸療法・脳活性化訓練などを中心に行っています。特に力を入れているのが回想法・園芸療法です。
回想法 | 昔によく使用した道具や昔の話題を用いて、自分自身の人生を振り返り、脳の活性化や情緒の安定化を期待する方法です。 これらのものに接することにより精神的に安定し、ストレスを軽減、認知症の予防にも効果があると考えられています。 当院では利用者様が元気に働いていた高度成長期である昭和30年代をイメージした、回想法の部屋を設けています。 その頃に使っていたテレビ、時計、おひつなど、合計60点以上の懐かしい商品を集めております。 |
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園芸治療 | 植物を育てることで、昔とった杵柄を思い起こし、人のこころや感情に自信や自尊心、 達成感、満足感、期待や喜びなどを与えることができます。そんな園芸活動の特徴や性質を利用して、認知症の改善につなげてゆきます。 当院の近くには畑と果樹園があり、そこで収穫したものはみなさんのお昼御飯等に利用されています。 |
これまでに多くの利用者様に実施させていただいておりますが、
周辺症状の改善(意欲の向上、不安感の軽減、暴言・暴力の改善など)に確実な効果が得られています。
3ヶ月間実施した後は個別リハビリも組み込み、その方に合った形で継続させていただいています。
認知症リハビリの様子
昭和30年代のお茶の間をイメージした回想法の部屋
「こうやって子供の宿題を見てあげてたなぁ。」懐かしい時間を過ごされ、普段は険しい表情も穏やかです。
若い職員には、見たことない物ばかり!保たれている長期記憶を頼りに、丁寧に説明してくれます。
青空の下、果樹園のびわは大豊作!日光に当たり、今晩は熟睡できそうです。
普段おとなしい人も、この時ばかりは活動的!職員は果実の回収に大忙し。
一番の楽しみはやっぱり『食べること』です!現地で採れたての果実を食べるのは格別のおいしさです。
天気の良い日は畑を眺めるだけでも、話に花が咲きます。
普段は寡黙な方ですが、昔とった杵を若い世代に伝えようと一生懸命に教えてくれます。認知症があることを感じさせません。
「出荷しないといかん。」と、普段車椅子の方の重い腰も持ち上がります。気持ちが前向きになると、自然と体も動き出します。